安全衛生情報

2020-06-11 16:15:00

 厚生労働省から、<「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント>通知が発行されましたので、紹介します。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、「新しい生活様式」として、一人ひとりが感染防止の3つの基本である
1.身体的距離の確保、2.マスクの着用、3.手洗いや、「3密(密集、密接、密閉)」を避ける等の対策を取り入れた生活様式を実践することが求められています。
 これから、夏を迎えるにあたり、皆様には、例年よりもいっそう熱中症にもご注意いただきたく、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」における熱中症予防のポイントをまとめました。

 

(1) マスクの着用について
 マスクは飛沫の拡散予防に有効で、「新しい生活様式」でも一人ひとりの方の基本的な感染対策として着用をお願いしています。ただし、マスクを着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。
したがって、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。
 外出時は暑い日や時間帯を避け、涼しい服装を心がけましょう。
(2) エアコンの使用について
 熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効です。ただし、一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整をしましょう。

(3) 涼しい場所への移動について
 少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動することが、熱中症予防に有効です。一方で、人数制限等により屋内の店舗等にすぐに入ることができない場合もあると思います。その際は、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動してください。
(4) 日頃の健康管理について
 「新しい生活様式」では、毎朝など、定時の体温測定、健康チェックをお願いしています。これらは、熱中症予防にも有効です。平熱を知っておくことで、発熱に早く気づくこともできます。日ごろからご自身の身体を知り、健康管理を充実させてください。また、体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。

 

pdf 令和2年度の熱中症予防行動_厚生労働省 .pdf (0.8MB)

 

以上

 

2020-06-11 16:01:00

 新型コロナウイルスの院内感染が起きた病院で働き、感染した女性看護師について、新宿労働基準監督署が労災認定したことが8日、分かった。看護師の代理人弁護士が明らかにした。認定は4日付。
 看護師が勤務する中野江古田病院(東京都中野区)では3月下旬から患者や職員に感染が拡大。同区によると、感染者は計107人に上った。
 代理人の川人博弁護士らによると、看護師は4月19日の夜勤明けに発熱などの症状が出て自宅待機を指示された。PCR検査を受け、同29日に陽性と判明した。
 看護師は肺炎や呼吸困難などの症状で、5月9~28日に入院し、現在は自宅療養中。母親も感染し、一時入院した。看護師側が同15日に労災申請していた。
 看護師は、労災手続きについて職場から説明がなかったと話し、「体を張って現場に立つ医療従事者が、一人でも多く正当な補償を受けられるよう望む」と訴えた。
 病院は取材に「労災認定を確認できていない」とコメント。労災手続きの説明がなかったとの指摘には「入院した人には説明したが、今回の看護師の入院は知らなかった」と話した。 

(ニュース提供元:時事通信社)

2020-06-10 16:21:00

 総務省消防庁は9日、熱中症のため1~7日の1週間に全国で1194人が救急搬送されたとの速報値を公表した。山形、福島両県で計2人が死亡した。

 搬送者数の集計は今年初めて。内訳は、3週間以上の入院が必要な重症が19人、短期入院の中等症が401人だった。65歳以上が699人で全体の58.5%を占めた。都道府県別では愛知が77人と最多で、大阪が75人、埼玉72人と続いた。

 新型コロナウイルス対策でマスクを着用する人は多いが、気温や湿度が高い中での使用は熱中症のリスクが高いとされることから、消防庁は小まめな水分補給を呼び掛けている。

 

情報元:共同通信社

2020-06-02 14:37:00

 厚生労働省は、5月29日、標記「労働者災害補償保険法における二次健康診断等給付の健診費用の額等のあり方に関する検討会報告書」を公表した。 厚生労働省では、この報告書を参考に労働基準局長通達で定める労災保険二次健康診断等給付担当規程等の改正を予定するとのこと。

 

【報告書のポイント】

➀ 二次健康診断については、改正する給付担当規程の施行時における診療報酬点数表の点数および労災診療費算定基準の料金に基づき算定を行うこと

➁ 特定保健指導の実施基準については、新たに定める「就労の状況等に係る質問票」を踏まえて「二次健康診断等給付 特定保健指導例」の項目に基づき特定保健指導を実施し「生活上の問題点」と「就労上の問題点」を抽出する方法とすることとし、目安時間については20分とすること。

  また、受診結果については、「所見を記載する視点及び記載例」を参考に事業者または産業医等において就業上の配慮に結びつく内容を記載させること。

 

pdf 報告書概要.pdf (0.07MB)

pdf 報告書全文.pdf (2.04MB)

以上

 

 

2020-06-01 18:36:00

【清掃業における感染予防対策】

 経営者・総務人事担当者のみなさま、清掃作業における感染予防対策は万全でしょうか?個々の現場は作業員に任されていることが多く、現場責任者が常に見ていることは難しいため、作業員一人一人がポイントを理解しておくことが重要です。

1.課題の背景:
 医療機関や軽症感染者の受け入れ宿泊施設などと比べ、一般的な清掃作業においては感染防止対策が十分に講じられていない可能性があります。
しかしながら、感染者数が増加する状況下においては、一般的な作業現場においても、多くの人が触れるトイレ・ドアノブ・エレベーターのボタン等の清掃作業を通じて、作業員自身が接触感染をしてしまうリスクがあります。このような場面で作業員の安全を確保しながら業務を行う方法につき述べます。

2.企業でできる対策:
2-1.清掃事業者側は作業前の注意事項を全ての清掃作業者に徹底する
2-2.清掃作業者は接触感染を防止するための手順に沿った清掃作業を行
2-3.トイレでの接触感染に留意して清掃作業を行う

 

2-1.作業前の注意事項を清掃作業者に徹底する
 清掃事業者側は以下の点を作業に就かせる清掃作業者全員に周知徹底する
 ① 出勤前に体温測定をし、発熱・風邪症状・倦怠感などがある場合は出勤を控える
 ② 保護具の正しい着脱について十分な訓練を行う
 ③ 接触感染を防止するための作業手順(2-2,2-3の内容)を作成し、手順の教育を行う

2-2.清掃作業者は接触感染を防止するための手順に沿った清掃作業を行う
 日常清掃業務に加えて、多くの人が触れるドアノブ、エレベーターのボタンなどの消毒も求められており、ウイルスに触れることのないように充分注意して作業を行います
 ① 出勤前に体温測定をし、発熱・風邪症状・倦怠感などがある場合は出勤を控える
 ② 清掃中は清掃する部屋等の換気をする
 ③ 清掃前後には必ず石けんと流水で充分に手洗いをし、作業中は顔に触らないようにする
 ④ 作業中は必ず手袋を着用し、手袋を脱ぐとき、脱いだ後は外面に触れないようにし、手洗いをする
 ⑤ 作業は1人で行う、または、複数名で行う場合は持ち場を分担するなど、できるだけお互いに距離を取って行う
 ⑥ ゴミ箱の中にマスク、鼻をかんだティシューなど汚染されたものが入っている可能性があるので、内容物に触れないように気を付ける
 ⑦ ドアノブ、エレベーターのボタン、照明スイッチなど多数の者の手が触れる場所はアルコール(70%)または0.05%の次亜塩素酸ナトリウム溶液による清拭を行う
 ⑧ 次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて清拭したあとは、水拭きを行
 ⑨ 清拭はペーパータオル、消毒用不織布など使い捨て資材を用いる
 ⑩ 保護具、清掃用資材などの廃棄物はビニール袋に入れて密閉する

2-3.トイレでの接触感染に留意して作業を行う
 ダイヤモンドプリンセス号の環境検査ではトイレの床から比較的多くコロナウイルスが検出されており、また比較的多くの人が利用する場所ですので特に注意して清掃作業をします。具体的には2-2.の対策に以下を追加して実施します。
 ① 作業中は必ず手袋と不織布性のマスクを着用し、手袋・マスクを外すとき、外した後は外面に触れないようにし、手洗いをする
 ② 蓋がある場合は必ず蓋を閉めて水を流す
 ③ 汚物が直接触れるところ(不潔箇所)と人の手が触れるところ(清潔箇所)で手袋を交換して作業する
 ④ ドアノブ、蓋、便座、洗浄レバー、操作パネル、トイレットペーパーホルダー、手すり、洗面台、鏡など多数の人が触れる場所の消毒を行う
 ⑤ トイレの床面のモップ掛けを行う

3.参考:医療機関、軽症感染者宿泊施設等の清掃について
 医療機関や軽症感染者が宿泊療養に利用した施設の清掃については、より厳しい感染防止対策が求められます。医療機関の感染対策チームに相談する、全国ビルメンテナンス協会の「新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた宿泊施設の清掃等マニュアル」を確認するなどしましょう。

 

 4.関連情報リンク
 ①全国ビルメンテナンス協会 ガイドライン・マニュアル
  https://www.j-bma.or.jp/publications/manual?fbclid=IwAR1I5F6OSVTRyTzCzDJUMVClLF-rafiCYB7JCenqqeIw10yChOWxFBR0FRU

 ②全国ビルメンテナンス協会 新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた宿泊施設の清掃等マニュアル
  https://www.j-bma.or.jp/wp-content/uploads/2020/05/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%82%92%E8%B8%8F%E3%81%BE%E3%81%88%E3%81%9F%E5%AE%BF%E6%B3%8A%E6%96%BD%E8%A8%AD%E3%81%AE%E6%B8%85%E6%8E%83%E7%AD%89%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB.pdf

 

PDF版 pdf 清掃業における感染症予防対策_hspc.pdf (0.99MB)

 

情報元:りんどう国際事務所 社会保険労務士 中條幸子 sr-rindow@rindowkokusai.com

文責:櫻木 園子(一般財団法人京都工場保健会 産業保健推進部)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

以上