安全衛生情報

2020-06-11 18:30:00

【映画館における感染対策(従業員への感染防止のために)】

 経営者・総務人事担当者のみなさま、映画館における従業員の感染対策は万全でしょうか?不特定多数の人との接点が多い業務形態ですが、きちんと感染対策を取ることで従業員への感染リスクは低減できます。

1.課題の背景:
 緊急事態宣言が解除され、全国的に映画館での営業再開が始まっております。各劇場では「映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン(全国興行生活衛生同業組合連合会)」等に基づき、スクリーン内の座席間隔を空ける等の各種感染対策を講じつつ営業を再開しているものと思われます。
不特定多数の人との接点が多い業務形態であり、従業員の安全を確保することはもちろんのこと、従業員から周囲(同僚や来館者)に感染拡大することも防止していく必要があります。ここでは、従業員における感染対策に重点を置き、ガイドラインではあまり触れられていなかったバックヤードでの対応も含めて解説いたします。

2.事業所でできる対策:
2-1.飛沫感染を防ぐため、バックヤードも含めて社会的距離の確保に留意する
2-2.
接触感染を防ぐため、作業後の手洗いを徹底し、スタッフ間での物品共有を減らす
2-3.
労務管理を通じて、体調不良の状態での勤務を避ける

「映画館営業再開ガイドライン(”FURUERU”  編集部)」を参考に、以下にポイントと補足点を記載します。

2-1.飛沫感染を防ぐため、バックヤードも含めて社会的距離の確保に留意する
 来館者との接点はもちろんのこと、バックヤード(事務所・更衣室・休憩室)においても社会的距離の確保、ビニールカーテン等の遮蔽物の設置、フェイスシールドの着用を場面に応じて行い、従業員への接触感染を防止します。
① 事務所内に入る従業員を限定する等により、事務所内が混雑する状況を避ける
② スタッフの身だしなみチェック等は広いスペースで最小1m(できれば2m)の距離をお互いに確保して
実施する

③ 屋内での発声練習は控える
④ 更衣室の利用に時間差を設け、複数の従業員が同時に利用する状況を避ける
⑤ 更衣室の利用はなるべく短時間とし、会話をしない
⑥ 休憩時間を分散化し、休憩室を同時に利用する人数を減らす
⑦ 休憩室の椅子の数を減らし、対面を避けた席配置とする
⑧ 典型的な3密スペースである喫煙所は一時的に閉鎖する
⑨ 従業員は常にマスクを着用する
⑩ 事務所内、休憩室の換気を適宜行う
⑪ チケット窓口、売店では来館者と従業員の間にビニールカーテンやアクリル板等の遮蔽物を設置する
⑫ 遮蔽物が設置できない環境で接客対応を行う必要があれば従業員にフェイスシールドを着用させる

2-2.接触感染を防ぐため、作業後の手洗いを徹底し、スタッフ間での物品共有を減らす
 事務所内での従業員間の物品共有、ゴミの廃棄、トイレの清掃などの場面で接触感染のリスクがありますので、物品共有の機会を減らす、消毒を徹底する、手袋等を着用する、作業後の手洗いを徹底する等の対策を行います。ダイヤモンドプリンセス号の環境検査ではトイレの床から比較的多くコロナウイルスが検出されており、また比較的多くの人が利用する場所ですのでトイレの清掃作業では特に注意が必要です。
① インカム等の物品の共有は控え、なるべく個人専用とする
② どうしても従業員間で物品を共有せざるを得ない場合は、使用の都度、アルコール等による消毒を徹底する
③ 事務所内のPC・机・椅子・電話・ドアノブ等、多くの従業員が触れる場所の消毒を適宜行う
④ チケット窓口や売店ではキャッシュレス決済を推奨し、できるだけ現金の授受を避ける
⑤ チケット窓口や売店で現金の授受が発生する場合はトレイを介して行い、現金に触れた後は手指消毒をする

⑥ チケットのもぎりは来館者自身にお願いし、チケット回収箱などに半券を入れてもらう
⑦ 清掃やゴミの廃棄を行う従業員は、マスクに加えて手袋の着用も徹底する
⑧ トイレの清掃作業中は必ず手袋と不織布性のマスクを着用し、手袋・マスクを外すとき、外した後は外面に触れないようにし、手洗いをする

⑨ トイレの蓋がある場合は必ず蓋を閉めて水を流す
⑩ トイレのドアノブ、蓋、便座、洗浄レバー、操作パネル、トイレットペーパーホルダー、手すり、洗面台、鏡、など多数の人が触れる場所の消毒を行う

⑪ トイレの床面のモップ掛けを行う
⑫ 作業を終えた後は、手洗いや手指消毒をする

 

2-3.労務管理を通じて、体調不良の状態での勤務を避ける
 施設管理者は以下の点を従業員全員に周知徹底します。

① 出勤前に体温測定をし、発熱・風邪症状・倦怠感などがある場合は出勤を控える

② 施設管理者は、従業員の緊急連絡先や勤務状況を把握しておく

③ 保護具の正しい着脱について十分な訓練を行う

 .関連情報リンク:

 

(1)映画館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン(全国興行生活衛生同業組合連合会)
https://www.zenkoren.or.jp/news-pdf/0514_COVID-19_guideline.pdf

(2)映画館営業再開ガイドライン(”FURUERU” 編集部)
  https://note.com/furueru/n/n18d536dbe1cb

情報元:りんどう国際事務所 社会保険労務士 中條幸子 <sr-rindow@rindowkokusai.com>

文責:今井 鉄平(OHサポート株式会社 代表・産業医)
本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

 

PDF版pdf 【映画館における感染対策(従業員への感染防止のために)】_hspc.pdf (0.74MB)

 

以上

 

 

 

2020-06-11 16:15:00

 厚生労働省から、<「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント>通知が発行されましたので、紹介します。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、「新しい生活様式」として、一人ひとりが感染防止の3つの基本である
1.身体的距離の確保、2.マスクの着用、3.手洗いや、「3密(密集、密接、密閉)」を避ける等の対策を取り入れた生活様式を実践することが求められています。
 これから、夏を迎えるにあたり、皆様には、例年よりもいっそう熱中症にもご注意いただきたく、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」における熱中症予防のポイントをまとめました。

 

(1) マスクの着用について
 マスクは飛沫の拡散予防に有効で、「新しい生活様式」でも一人ひとりの方の基本的な感染対策として着用をお願いしています。ただし、マスクを着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。
したがって、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。
 外出時は暑い日や時間帯を避け、涼しい服装を心がけましょう。
(2) エアコンの使用について
 熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効です。ただし、一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整をしましょう。

(3) 涼しい場所への移動について
 少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動することが、熱中症予防に有効です。一方で、人数制限等により屋内の店舗等にすぐに入ることができない場合もあると思います。その際は、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動してください。
(4) 日頃の健康管理について
 「新しい生活様式」では、毎朝など、定時の体温測定、健康チェックをお願いしています。これらは、熱中症予防にも有効です。平熱を知っておくことで、発熱に早く気づくこともできます。日ごろからご自身の身体を知り、健康管理を充実させてください。また、体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。

 

pdf 令和2年度の熱中症予防行動_厚生労働省 .pdf (0.8MB)

 

以上

 

2020-06-11 16:01:00

 新型コロナウイルスの院内感染が起きた病院で働き、感染した女性看護師について、新宿労働基準監督署が労災認定したことが8日、分かった。看護師の代理人弁護士が明らかにした。認定は4日付。
 看護師が勤務する中野江古田病院(東京都中野区)では3月下旬から患者や職員に感染が拡大。同区によると、感染者は計107人に上った。
 代理人の川人博弁護士らによると、看護師は4月19日の夜勤明けに発熱などの症状が出て自宅待機を指示された。PCR検査を受け、同29日に陽性と判明した。
 看護師は肺炎や呼吸困難などの症状で、5月9~28日に入院し、現在は自宅療養中。母親も感染し、一時入院した。看護師側が同15日に労災申請していた。
 看護師は、労災手続きについて職場から説明がなかったと話し、「体を張って現場に立つ医療従事者が、一人でも多く正当な補償を受けられるよう望む」と訴えた。
 病院は取材に「労災認定を確認できていない」とコメント。労災手続きの説明がなかったとの指摘には「入院した人には説明したが、今回の看護師の入院は知らなかった」と話した。 

(ニュース提供元:時事通信社)

2020-06-10 16:21:00

 総務省消防庁は9日、熱中症のため1~7日の1週間に全国で1194人が救急搬送されたとの速報値を公表した。山形、福島両県で計2人が死亡した。

 搬送者数の集計は今年初めて。内訳は、3週間以上の入院が必要な重症が19人、短期入院の中等症が401人だった。65歳以上が699人で全体の58.5%を占めた。都道府県別では愛知が77人と最多で、大阪が75人、埼玉72人と続いた。

 新型コロナウイルス対策でマスクを着用する人は多いが、気温や湿度が高い中での使用は熱中症のリスクが高いとされることから、消防庁は小まめな水分補給を呼び掛けている。

 

情報元:共同通信社

2020-06-02 14:37:00

 厚生労働省は、5月29日、標記「労働者災害補償保険法における二次健康診断等給付の健診費用の額等のあり方に関する検討会報告書」を公表した。 厚生労働省では、この報告書を参考に労働基準局長通達で定める労災保険二次健康診断等給付担当規程等の改正を予定するとのこと。

 

【報告書のポイント】

➀ 二次健康診断については、改正する給付担当規程の施行時における診療報酬点数表の点数および労災診療費算定基準の料金に基づき算定を行うこと

➁ 特定保健指導の実施基準については、新たに定める「就労の状況等に係る質問票」を踏まえて「二次健康診断等給付 特定保健指導例」の項目に基づき特定保健指導を実施し「生活上の問題点」と「就労上の問題点」を抽出する方法とすることとし、目安時間については20分とすること。

  また、受診結果については、「所見を記載する視点及び記載例」を参考に事業者または産業医等において就業上の配慮に結びつく内容を記載させること。

 

pdf 報告書概要.pdf (0.07MB)

pdf 報告書全文.pdf (2.04MB)

以上

 

 

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