安全衛生情報

2020-06-19 16:48:00

 三菱自動車工業(東京都港区)の男性社員=当時(47)=が2019年に自殺したのは、月139時間超の残業による精神疾患が原因だったとして、三田労働基準監督署(同)が労災認定したことが17日分かった。代理人の川人博弁護士らが同日、都内で記者会見して明らかにした。認定は5月28日付

 川人弁護士によると、男性は1993年4月入社。プラグインハイブリッド車などの開発に長年携わったが、18年1月から経験がない軽自動車の商品企画を担当した。同業他社と共同開発した軽自動車が19年3月下旬に発売されることが決まり、男性は両社の業務調整や販売店への説明などで多忙になった。

男性は19年2月7日、横浜市内の寮の自室で自殺。労基署は直前1カ月の残業時間が139時間超で、これが原因となり精神疾患を発症したと認定した。同弁護士は、社外でパソコンを使って働いた記録を含めると、153時間を超えると指摘している。

男性の妻は「大切な家族を失った悲しみは癒えることはない。同じような犠牲者がなくなるよう、会社の管理体制の整備を願う」と話した。三菱自は「社員が亡くなったことを重く受け止めている。詳細を確認している」とコメントした。

(時事通信)

2020年6月17日