2022-11-22 14:51:00
イラスト:東京労働局
東京労働局管内での2021年(1月~12月)の死亡災害は、前年比で約倍増となる77人、休業4日以上の死傷災害は12,876人と前年比で2,000人以上増加した。
2022年に入っても、建設業の死亡災害は増加傾向にあり、10月末現在で21人が亡くなっている。
こうした状況を踏まえ、東京労働局は各社の現場責任者に対して、脚立・はしごからの墜落や転落防止対策、安全衛生教育の徹底などをはじめ、期間中は特に下記などの対策を企業に推奨している。
・積雪・凍結など、冬期における転倒防止
・大掃除や棚卸しなどの作業時における、脚立・はしごからの墜落、転落防止対策の徹底
・「Safe Work」のロゴマークを掲示し、労働災害防止の機運を高める
・各関係団体幹部、各事業場の経営トップによるパトロールの実施
また、労働局や労働基準監督署では、講習会などによる改正法令の周知や労働災害防止指導の強化、普及啓発資料の作成・発信による支援のほか、事業場に対する集中パトロールや建設現場指導などを積極的に実施する予定。
年末年始、休み期間中の解体工事や飲食店繁忙期の転倒などで事故
過去には、年末・年始に以下のような事故が起きている。
- プレス機械による銘板抜き作業中に誤ってペダルを踏んでしまい、右手中指と薬指を切傷(製造業・60歳代・休業3か月)
- 木造2階建ての解体工事において、1階の屋根上にある瓦の撤去作業中に墜落し、両腕を骨折(建設業・60歳代・休業2か月)
- トラックからの荷下ろし作業中、ゲートリフターのストッパー部を踏んでしまい、後方に荷とともに墜落(運輸交通業・60歳代・休業3か月)
- 店内フロアにて、ビールグラスを両手に持って移動中、服が椅子に引っ掛かり転倒し右肩を骨折(接客娯楽業・50歳代・休業3か月)
事故では、業種横断的に「転倒」や腰痛を含む「動作の反動・無理な動作」といった人の作業行動に起因する災害(行動災害)が増加傾向にあるという。特に、死亡や重篤な労働災害が多発傾向にある「建設業」では、一層の注意が必要である。
以上