安全衛生情報

2020-05-28 09:47:00

【寮における感染対策】

 経営者・総務人事担当者のみなさま、社員寮での感染防止対策は万全でしょうか?シンガポールでは、外国人労働者の住む寮での集団感染により感染者数が急増しています。感染リスクの高い集団生活を行う寮の感染対策を改めて見直しましょう。

1.課題の背景:
 集団生活を行う寮では、風呂、トイレ、食堂などが共用になっていることもあり、集団感染のリスクが高い環境にあります。また、新型コロナウイルス感染者でも自宅療養を指示されることがあり、感染者が寮内で療養する際の対応も決めておく必要があります。

2.企業でできる対策:

 かぜ症状、新型コロナウイルスに感染し自室療養する人への対応方法を定める
(寮内での3密を避けた新しい生活様式へ移行する)

(1)かぜ症状、新型コロナウイルス感染者で自室療養する人への対応方法を定める。
 プライバシーの保護に留意しつつ以下の対策を取ることで感染拡大を防止します。
① かぜ症状で自室療養を行う場合は、職場上司、寮の管理人が把握できるよう連絡手順を定めておく(連絡は非対面で行う)。
② 自室療養するものは必ず個室に移す。できる限り自室から出ないで済むよう、トイレ、シャワーが付いている個室がある場合は部屋を移すことも検討する。
③ 食事は自室で摂るようにし、使い捨て容器の弁当を、時間を決めて自室前などに置き配する等、食事提供、下膳時の対面を避ける。置き配が難しく食事を手渡しする場合は、マスクを着用し、会話を最小限に、時間を短く行う。
④ やむを得ず個室を出る場合は、手洗いをしてから、マスクを着用する。
⑤ 共用風呂の利用が避けられない場合は、利用時間の最後に使用する。利用後は触れたドアノブの消毒を行う。
⑥ 共用トイレの利用が避けられない場合は、フタがついている場合はフタをしてから流すようにする。利用後は触れたドアノブ、トイレットペーパーホルダーの消毒を行う。
⑦ 汚物が付着していない衣類の洗濯方法は通常通りで良いが、共用洗濯機を使用後はボタンの拭き取り消毒を行う。
※汚物が付着している場合は、80℃以上の熱湯に10 分以上つける又は 0.1%次亜塩素酸で消毒を行う必要がある。
⑧ 鼻水や唾液のついたティッシュなどのごみはビニール袋に入れ、室外に出す時はしっかり口を結ぶなど密閉して捨てる。

(2)寮内での3密を避けた新しい生活様式へ移行する。
 寮での共同生活は集団感染リスクが高いため、原則自室での生活とし、共用場所(食堂、風呂、トイレなど)では以下対策を行い、集団感染を防止する。
① 原則自室内で生活を行い、談話室や個室に複数名が集合することは避ける。
② 複数名が一つの部屋で生活せざるを得ない場合は、パーテーションなどで個人のスペースを区切り、30分毎に窓を開けて換気に努める。
③ 鼻水や唾液のついたティッシュなどのごみはビニール袋に入れ、室外に出す時はしっかり口を結ぶなど密閉して捨てる。

④ 食堂で食事提供を行う場合は、以下を守る。
 ・食事は個人ごとに摂り、座席は、2m以上の距離を確保する。
 ・食堂利用前の手洗い徹底し、可能であれば入口付近に手指消毒液を設置する。
 ・食事以外の時間はマスクを着用する。
 ・食事中の会話は極力控え、食事終了後はすみやに退室する。
 ・テーブルにダスター等を配置し、食後に各自でテーブル清拭を励行する。
⑤ 共用の風呂を利用する場合は、以下を守る
 ・脱衣場では2m以上の対人距離を確保する。
 ・入浴中も可能な範囲で対人距離を確保する。
 ・着替え、入浴中は会話を控える。
 ・入浴後は速やかに退出する。
⑥ 共用トイレを利用する場合は、以下を守る
⑦ 蓋がある場合は蓋を閉めて汚物を流すよう表示する。
⑧ 使用後は必ず手洗いを行う
⑨ ハンドドライヤーを設置している場合は利用を停止する。
⑩ エレベーター、電気のスイッチ、自動販売機のボタン、ドアノブ、トイレットペーパーホルダーなど接触頻度の高い場所は、定期的に拭き取り消毒を行う。

 

PDF版 pdf 寮における感染症予防対策_hspc.pdf (0.52MB)

 

情報元:りんどう国際事務所 社会保険労務士 中條幸子 sr-rindow@rindowkokusai.com

文責:守田 祐作(産業医科大学 健康開発科学)
※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。

※本内容に関するご意見・ご要望は、covid19@ohsupports.comまでお寄せください。

以上