安全衛生情報

2020-04-27 01:32:00

 厚生労働省は、4月14日「建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会」(座長:豊澤康男 前独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所所長)で審議していた、建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策に関する報告書をとりまとめ公表した。

 この報告書を受けて、近日中に労働安全衛生法に基づく石綿障害予防規則の改正を検討する方針とのこと。

法改正となる内容は以下pdfファイルのとおり。

pdf 建築物の解体・改修等における石綿ばく露防止対策等検討会報告書(概要).pdf (1MB)

pdf 建築物の解体・改修等における石綿曝露防止対策等検討会報告書.pdf (0.77MB)

 

■報告書のポイント

<事前調査の充実・強化>
 ・建築物の解体・改修工事を開始する前の石綿使用の有無に関する調査(以下「事前調査」)を行う者は、一定の講習を修了した者又はそれと同等以上の知識・経験を有する者でなければならないこととする。
 ・建築物、工作物又は船舶の解体・改修工事を開始する前の事前調査における石綿の分析を行う者は、一定の講習を修了した者又はそれと同等以上の知識を有する者でなければならないこととする。
 ・事前調査結果は、3年間保存しなければならないこととする。

<計画届の対象拡大>
 ・工事開始前までの作業届提出が義務づけられている石綿含有保温材等の除去作業について、工事開始14日前までに計画届を提出しなければならないこととする。

<事前調査結果等の届出の新設>
 ・以下の基準に該当する工事は、石綿含有の有無に関わりなく、原則として電子届により、事前調査結果等を労働基準監督署に届出なければならないこととする。
  1)解体工事部分の床面積の合計が80m2以上の建築物の解体工事
  2)請負金額が100万円以上である建築物の改修工事又は特定の工作物の解体・改修工事

<石綿等の除去作業におけるばく露防止措置の強化>
 ・隔離が義務づけられている吹付石綿、石綿含有保温材等の除去作業において、除去が完了したことが適切に確認できる能力を有する者により、除去が完了したことを確認しなければ、隔離を解いてはならないこととする。
 ・隔離空間からの漏洩防止のため、集じん・排気装置に変更を加えた場合に集じん・排気装置について、作業を中断した場合に負圧について、点検しなければならないこととする。
 ・石綿等を含有する仕上げ塗材を、電動工具を用いて除去する場合は、湿潤な状態にすることに加えて、作業場所の周囲を隔離しなければならないこととする。
 ・石綿等を含有するケイ酸カルシウム板1種をやむを得ず破砕する場合は、湿潤な状態にすることに加えて、作業場所の周囲を隔離しなければならないこととする。

<作業計画に基づく作業の実施状況の記録の義務化>
 ・石綿等の除去作業等を行う場合に作成することが義務づけられている作業計画に基づく作業状況等について、写真等により記録を作成し、3年間保存しなければならないこととする。

以上